留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

このページは2024年に調査した内容を掲載しています。

ポルトガルのビーチ

ポルトガルは、クリーンエネルギーの生産と利用、重要情報システム技術の開発、そして革新的な織物と靴の発明といった分野で世界をリードする先進的国家です。
ポルトガル語は、欧州言語としては、英語、スペイン語に続き世界で3番目に広く話されています。国際関係において重要な役割を果たしている世界主要言語のひとつであり、欧州連合(EU)や、その南米版ともいえるメルコスール(南米南部共同市場)では実務言語として使われています。地球全体でポルトガル語を母語とする人口は約2億3,000万人に上ります。
ポルトガルには多種多様な魅力があります。活気あふれる文化、素晴らしい食べ物とワイン、非常に美しい自然、そして長い豊かな文化的歴史の産物である壮麗な建築などがその例です。温暖で明るい気候、清浄な空気、欧州有数の生活コストの低さ、そして外国人を温かく受け入れる伝統を持つポルトガルは、観光地として高い人気を誇ります。首都のリスボンは白く輝く宝石のような都市であり、建築物やさまざまな美術館、レストランなど多数の名所にあふれています。7つの丘に広がる街リスボンは、各所で海や市街地を見晴らす絶景が楽しめます。
欧州の南西端に位置するポルトガルは、北と東はスペインと国境を接しています。南と西は大西洋に面して最長の国境を擁し、沖合にはアゾレス諸島とマデイラ諸島という群島を有しています。このような地理上の特徴は恵まれた気候だけではなく、世界の隅々まで探索しようとの動機ももたらしました。ポルトガルはアジアへの海路を発見した欧州最初の国でした。

首都:リスボン
面積:92,225平方キロメートル
人口:約1030万人(2024年、IMF)
公用語:ポルトガル語
通貨:ユーロ(EUR)
気候:四季の気温の変化は存在するものの、主に雨季と乾季の2つの気候パターンに分けられます。乾季は5月下旬~9月下旬まで続き、その後雨季が始まります。特に12月、1月頃は雨の日が多くなる傾向があります。気温に関しては、乾季(主に夏)は暑く乾燥しており、気温は30度を超えることもあります。雨季(主に冬)は湿度が高くなり、最低気温が10度前後、最高気温が15度前後になることが一般的です。
気候は南北の地域差が若干あり、北部はやや海洋性の気候で、南部は地中海性の気候となります。そのため南部の方が気温が高い傾向にあります。
 

ポルトガルの高等教育機関には、大学(universitário)と専門技術学校(politécnico)があり、それぞれ公立(público)と私立(privado)があります。

大学(universitário)
大学は学術研究と理論的な知識に強い焦点を置き、人文科学、科学、工学、法律、医学など幅広い分野のコースを提供します。研究志向であり、学士号のほかに修士号、博士号のプログラムも提供しています。教育方法は理論的で、批判的思考と研究スキルの養成を重視しています。国内には36の大学があり、そのうち16校が公立、20校が私立となっています。

専門技術学校(politécnico)
専門技術学校は、実践的な職業教育を提供し、特定の職業に関連する技術的スキルと理論的側面としての応用知識を伝えるように設計されています。主に学士号と修士号のプログラムを提供し、博士課程を有している機関は稀です。教育は実践的で、特定の業種への就職や市場のニーズに重点を置いています。国内には61の専門技術学校があり、うち20校が公立、41校が私立です。

高等教育の学位とサイクル(ciclo)
第1サイクル:学士号(Licenciatura)
第2サイクル:修士号(Mestrado)
第3サイクル:博士号(Doutoramento)を授与します。
第1サイクル(学士課程)への一般入学には、中等教育の修了と入学試験の合格が必要です。第2サイクル(修士課程)、第3サイクル(博士課程)への出願は、それぞれ学士号、修士号を有していることが一般的には必須ですが、保持していない場合でも相当する資格・知識を示せば、大学によっては出願可能です。

高等教育機関
2023-2024年のポルトガルの国立大学における学士課程の授業料は、最大697ユーロに定められています。しかしこれはポルトガル人に対しての授業料で、外国人留学生に対しては、この授業料が数倍になることが一般的です。修士課程や博士課程の授業料は大学によって異なりますが、同じように留学生向けの授業料は高めに設定されています。
公立大学の留学生学費
ミーニョ大学(一例)
第1サイクル(学士課程):6,500ユーロ
第2サイクル(修士課程):6,500ユーロ
第3サイクル(博士課程):7,500ユーロ

ポルトガル語講座
多くの大学では外国人向けポルトガル語講座を開講しておりますが、大学によってカリキュラムが異なります。1学期に200時間のコースを開講している大学や60時間のコースを開講している大学など、様々です。
ポルトガル語講座学費(一例)
大学のポルトガル語コース:5~6ユーロ/時間
語学学校のポルトガル語コース:約10ユーロ/時間

ポルトガル 生活情報

【住居】
観光都市として知られるポルトガルの首都リスボンでは、他の都市に比べて生活費が高い傾向にあります。リスボンでは、月額1,500~2,000ユーロが生活費として必要と言われていますが、その大部分を家賃が占めています。リスボンやポルトといった主要都市の1DK相当のアパートの家賃は平均で月額約900ユーロ、3LDK相当のアパートは約1,700ユーロとなっています。中心街から離れると家賃は若干安くなり、1DKの家賃が月額700ユーロ程度、3LDKの家賃が1,200ユーロ程度になる傾向があります。リスボンやポルト以外の地方都市では、家賃がさらに100~200ユーロ程度安くなりますが、近年ポルトガルにおける家賃は、過去10年間で約1.5倍から2倍近くに増加しています。特に1人暮らし向けの物件の数が限られているため、広めの物件を借りてシェアすることも、家賃を抑える対策の一つです。

【交通】
公共交通機関の月間パスが月額50ユーロ未満で利用可能です。

【光熱費】
平均的な家庭(例えば2人暮らし)の水道・光熱費は月額100ユーロ程度、家のインターネット代は30ユーロ前後となっています。

2023年のグローバル・ピース・インデックス(国際平和指数)において、ポルトガルは世界中の163の国と地域の中で7位にランクインし、世界で最も治安の良い国の一つと評価されました。この指数は、各国の治安状況や国内外の紛争状況、軍事化の度合いを総合的に評価し、平和度を数値化するものです。2014年には18位だったポルトガルですが、政府が犯罪率を下げるための施策を実施した結果、ランキングで上位に位置するようになりました。
(出典:Institute for Economics & Peace, Global Peace Index 2023)

ポルトガルへの3か月以上の留学は、短期滞在査証(E6ビザ)と呼ばれるビザを取得する必要があります。申請に必要な書類は以下の通りです。
・申請書(原本)
・パスポート:申請期間満了日から3か月以上の有効期間を残す(原本)
・写真:最近撮影された4.5cm x 3.5cmのカラー、無背景写真1枚
・往復の航空券:航空券またはその予約を証明した書類(原本)
・海外旅行傷害保険契約証明書:(滞在期間中有効な保険に加入していることを証明する書類(原本とコピー)
・ポルトガルでの無犯罪を確認する要請書(原本)
・犯罪経歴証明書:日本に1年以上居住している場合は警視庁か県警が発行した3か月以内のアポスティーユ証明された犯罪経歴証明書
・経済状況証明書:金融機関が発行した英文の残高証明書か、奨学金証明書(原本)
・入学証明書:留学を受け入れる教育機関からの入学証明書(原本)
・居住場所が確保されていることを証明する書類
・レターパックプラス(パスポート送付用)
・宣誓書(原本)

ビザ申請の予約はポルトガル大使館のオンラインシステムからのみ可能ですので、大使館のサイトでアカウント作成し、予約手続きを行う必要があります。また、申請が受理されてから発行までに1か月程度かかるので、少なくとも渡航の数ヶ月前に申請を行うことが望ましいでしょう。

ETIAS(エティアス)
2025年に渡航認証制度ETIAS(エティアス)の導入が予定されており、施行後には、渡航認証の事前申請が必要になります。渡航認証制度ETIAS(エティアス)とは、シェンゲン協定加盟国を訪問する際に必要となる渡航認証制度のことです。
申請手続きは渡航前にオンラインにて行います。申請には、期限が有効なパスポートとクレジットカード、氏名や生年月日、連絡先などの個人情報、渡航情報などが必要となります。

ポルトガルの基金や財団では複数の奨学金や助成金を支給していて、日本人が対象となるものもあります。
  • オリエント財団による奨学金
    ポルトガルとアジア諸国、特に中国との歴史的・文化的つながりの発展を継続を目的として、文化・教育・芸術・科学・社会・社会奉仕分野における活動を推進しています。
  • カモンイス言語国際協力機構による奨学金
    ポルトガルの協力政策の実施、および、ポルトガル国外におけるポルトガル語と文化の推進に責任を負うポルトガル外務省管轄下の機関です。目的を達成するため、ポルトガル人および外国人学生向けの各種奨学金プログラムを提供する協力協定を、諸外国の高等教育機関との間で結んでいます。
  • 科学技術基金による奨学金
    博士号のための助成金、ポスドク助成金、サバティカル助成金、エンタープライズ博士助成金、国際組織トレーニング助成金が、教育・科学省の管轄のもと支給されています。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。