留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

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留学先国・地域:カナダ
留学期間:2022年9月~2026年4月卒業予定 (執筆現在留学開始6ヶ月目)
学校名:University of Alberta
専攻名:古生物学 (Palaeontology)
留学形態:大学/大学院への進学

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。

留学について真剣に検討し始めたのは、高校3年生の初めに進路を決定する段階のことでした。将来なりたい具体的な職業が思いつかず大学進学すら悩んでいた時に、家族との会話を通して、世界中の人と共通の話題について議論をする、ということをやってみたいと思い付きました。また、幼少期より巨大な恐竜の化石発掘への憧れがあり、それとは別に、中学高校では英語や科学に興味を持って勉強を進めていたのです。これらを組み合わせた時に、留学して古生物学を学ぶことが憧れへの一番の近道だと感じてアルバータ大学への進学を志し始めました。


Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。

アルバータ大学は古生物学研究において影響力の大きい大学です。教授の中には複数の恐竜研究の第一人者がいらっしゃり、近隣には恐竜化石発掘地として有名なドラムヘラーや古生物の博物館として有名なロイヤルティレル博物館、さらには大学構内にも古生物博物館や鉱物博物館があります。また、1年生の夏休みから野外実習の授業を受けることができたり、ボランティアとして本物の恐竜化石のクリーニングを行えたり、入学直後から古生物に触れることができます。さらに、カナダは比較的治安が良く、日本人の先輩がいることも分かっていたので、海外生活も一人暮らしも初めての私にとっても安全な留学先であると判断しました。


Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?

両親共に協力的で常に応援してくれていました。母は私のTOEFLのSpeakingとWritingの練習に付き合ってくれました。またTOEFLの成績が問題でアルバータ大学からの合格通知がなかなか来ないと私が焦っていた際にカルガリー大学に出願することを提案し、広い視野で常に第二の手段を考えてくれる、精神面での大きな支えでした。父は海外大学への出願が英語以外の勉強からの逃げにはなってはいけないと常に思い出させてくれました。私は海外出願と同時に日本の大学も受験しようと考えており共通テストを受験したのですが、その過程では父が大きな助けでした。大学では科学を勉強するのだからと、物理や化学、数学などを教えてくれて、今の大学生活で非常に役立っています。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。

2021年4月 留学を決意→2021年6月 TOEFL受験1回目→2021年8月 TOEFL受験2回目→2021年10月 University of Alberta 出願、 TOEFL 受験3回目→2022年1月 共通テスト受験、University of Calgary 出願→2022年2月 TOEFL 受験4回目、University of Calgary 合格通知→2022年4月 University of Alberta 合格通知→2022年7月 Study Permit 取得→2022年8月 渡航


Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。

アルバータ大学に通っている日本人の先輩のブログから、その先輩がJASSOから奨学金を受け取っていることを知り、JASSOの紹介サイトでInstagram のアカウントに辿り着いてダイレクトメッセージを送り、出願や入学手続きについて教えていただきました。他のSNSは利用していません。インターネットには古い情報も残っているため、できるだけ、更新日時が新しい留学エージェンシーのサイトやカナダ政府や大学自体のページを利用して情報を収集していました。


Q. 語学学習はどのように行っていましたか?

中学・高校の英語の授業を中心に英語学習を行いました。留学を決めてからは、高校で英語の授業を担当してくださった、アメリカ人の先生にお願いをして放課後にTOEFLのSpeakingとWritingへの対策をしていただきました。また、両親は海外生活経験があったため、SpeakingやWritingの練習に協力してもらっていました。自主学習としては、TOEFLの練習問題を解きました。Listening対策としてCNN10というネットのアメリカの高校生向けの10分ほどの動画を毎日見たり、長文読解に慣れるためにNational Geographic の子供向けの記事を英語で読んだりもしていました。


Q. 留学(斡旋)サービスなどは利用しましたか?

留学斡旋サイトは利用しませんでした。正直に書くと、アルバータ大学へ行きたいという気持ちが強すぎて、アルバータ大学以外の選択肢についてはあまりよく調べていませんでした。また、入学条件が、卒業証明書と、一定以上の高校とTOEFLの成績と明白だったため、自分が勉強するだけだと考えてもいました。Study Permitの取得方法も、カナダ政府のサイトやアルバータ大学のオンラインオリエンテーションで手順を追って紹介されていました。ただ、私の場合TOEFLの点数が4回目まで僅かに足りておらずに合格通知が来ないことに焦って、1月にカルガリー大学に出願するという羽目に陥ったので一校だけではなく他の選択肢も考えておいた方が安心です。


Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。

奨学金はJASSOの他には利用していません。ただ、私はギリギリでの合格だったために受け取っていませんが、多くの場合、一定上の成績を持って留学生として入学するのであれば、大学からも奨学金がもらえるようです。私にとっては資金調達の面では祖母が大きな助けになってくれました。飛行機のチケット代や最初の1ヶ月で揃えなければいけない布団やパソコンなど、全て支援してくれました。また、奨学金でカバーされない授業料や生活費は全て両親が支払ってくれています。


Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?特に苦労したことや気を付けた方がいいことなどがあれば教えてください。

入学手続きで気をつけたいのは必ず期限までにOfferを受け入れることです。Offer がきたら受け入れるか辞退するかという選択肢があるので、進学する可能性があるならお金はかかってしまいますが受け入れておきましょう。ビザの手続きで注意することは、残高証明書とBiometricsの取得です。残高証明書は英文で発行してもらうとスムーズに手続きが進みます。Biometricsは生体認証システムのことで、大阪か東京(私の時はコロナ禍で東京のみでした)まで取得しに行く必要があります。パスポートも成人年齢の引き下げで18歳から10年用のパスポートが取れるので、更新するのが良いと思います。パスポートの発行は時間がかかるので、早めに済ませると安心です。

Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)?海外の学校だからこそ苦労することや、逆に学校生活での楽しみなどを教えてください。

大学生活は非常に充実しており、楽しい思い出ばかりです。海外特有の苦労は、英語で発言する難しさです。30人程度のクラスでは発言した数や発言の質が成績に加味され、慣れない言語では咄嗟に文を組み立てて答えるのも、手を挙げる勇気を出すのも難しくて最初は少し大変でした。最近は先生や友人のアドバイスもあり、緊張せずに発言できるようになりました。勉強は日本の高校と同程度の忙しさですが、いくつ授業を履修するかを自分で選択できる場合が多いので、大変すぎると思ったら履修科目数を少なめにして心に余裕を持たせることもできます。同じ寮に住んでいるスタディメイトを作るとお互い励まし合いながら遅くまで図書館で勉強できます。


Q. 学校外の生活はいかがですか(いかがでしたか)?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。

私が住んでいるリスター寮は基本的に一年生が住む寮で、食堂がついており、自炊する必要がありません。私は二人部屋に住んでいて、とても気の合うルームメイトに恵まれました。一週間ほどの休暇期間には二人でバンクーバーまで旅行に行きました。その他にも、休日は友人とスキーに行ったり、同じ古生物学専攻の先輩達と古生物の博物館に行ったり、トロントに旅行に行ったりもしました。試験前になると、休日も図書館に行って勉強していることが多いです。街の治安は比較的良いですが、ホームレスが多く、夜中に一人で歩いていると怖い思いをすることもあるので気をつけましょう。


Q. アルバイトやインターンはしていますか(していましたか)? 

一年目なので、どのくらい勉強が忙しくなるか分からなかったこともあり、アルバイトもインターンもしていません。来年の夏にはインターンをすることを考えています。また、来年度は、英語力向上のためにアルバイトもしようと考えています。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか?

学んだことは数多くありますが、中でも、多様な考えの友人と会話を重ねる中で、自分の根底にある思考や常識に意識的になっているのを感じています。日本語での会話では、意見が少し曖昧でも、語彙力と雰囲気である程度相手に伝えることができていました。しかし、私の英語のレベルでは、まず自分の考えをはっきりさせてから、直接的に言葉を選ばないと伝わらないのです。また、聞き取れない時に自分の常識で相手の発言を推測して話が噛み合わず、後で聞き返して思いもしない真実を知り驚くことも多々あります。自分の考えに意識的になることで、自分の意見を即座に説明できる力を身につけられると考えています。


Q. 留学後の進路について教えてください。

卒業後は大学院への進学を目指しています。将来的、古生物学者となってフィールドワークをしたり学会発表をしたりするためには博士号(Ph.D.)を持っていることが必須条件だからです。今のところは博物館の学芸員として働くことを第一希望にしていますが、そのほかにも大学教授になって教員兼研究者という立場で活動していくことも考えています。また、教授という職業に就かなかったとしても、何らかの形で、恐竜や、もっと広い範囲では科学の面白さを研究者ではない人にも伝える活動ができたらとも考えています。


Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。

私は留学して良かったです。カナダに来て一週間ほどの時期に、英語で発表する機会がありうまく喋れなかった記憶から、初めは授業中に英語で発言するのを躊躇っていました。でも、当時のクラスにいたほぼ全員がその失敗を覚えていなかったのです。カナダは欠点を乗り越えて新しい自分になる挑戦をするために最高の場所です。多様な民族が共存する社会性を反映してか、良い意味で他人に無関心で、恥をかいても自分以外は気にしていません。失敗が他人の記憶には大して残らない、という実感はやりたいことへの前向きな挑戦と、数々の成功体験から来る自信を与えてくれます。ぜひ留学して、より素敵な自分に進化してください。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。